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グッケンハイム坏


『炎の奇蹟』
住人の約半数がガラス職人といわれるムラノ島。船着場から続くその名も「ガラス職人通り」には、ガラス工房がぎっしりと立ち並び、入り口から熱気がたちこめ、高温の炎を吹き上げるバーナーの音と、職人たちの掛け合う声でにぎわっています。ムラノの職人は、水飴のように赤く熔けたガラスをまるで魔術師のように操り、シャボン玉のように可能な限り薄く吹き上げることができます。ヴェネチアはこのため息がでるほど繊細な美しさを、門外不出の秘伝とするため、1291年には製造業者や職人、その家族までもこの小さな島に強制移住させる一方、技術の発展に大きく寄付した者には貴族の地位を与えました。ガラスという素材に魅せられ、夢と情熱そして命を吹き込み、ヴェネチアン・グラスを芸術品として世界中に送り出してきたムラノの職人たち。人々は尊敬をこめて彼らをマエストロと呼んでいます。
グッケンハイム坏

グッケンハイム杯

1875年ヴェネチア
サルヴィアーティ工房、ジュゼッペ・バロヴィエール作
宙吹き、アップリケ
高49.5cm

1875年にミケランジェロ・グッケンハイムの所有していた作品にもとづいて作られた装飾坏であったことから、“グッケンハイム“の名称が付けられた作品である。中空のバラスター・ステムが四段に作られ、そのそれぞれの間を縺いで、四方にガラス紐飾りが付けられている。坏身の下部には、18世紀のグラスに突起のついたリブ飾りが付けられており、同様の技法で装飾を施した蓋がつけられている。この蓋も、手持坏として使えるようになっている。極めて装飾的な蓋付ワイン・グラス、通称ポカール(ドイツ語)と呼ばれているグラスである。最初、18世紀の作品をイシドーロ・セグーゾが復元し、その後、ジュゼッぺ・バロヴィエールが、サルヴィアーティ社の人気商品として製作したものである。

 

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